第24番 子安地蔵寺

境内が甘い香りに包まれる「フジの寺」

子安地蔵寺 のどかな田園の少し高みに、フジの名所で有名な子安地蔵寺がたたずむ。4月下旬から5月上旬、この寺は一面フジの花で覆われる。白や紫のフジに導かれて、城を思わせる長屋門をくぐると、目の前には紫のフジの花房が天から降り注いだかのように無数にしだれる。この大きなフジ棚で感動するのはまだ早い。

 すぐ前の本堂の左右に、本堂より一段下がった庭園に、休憩所の脇にと、ほとんど隙間がないほどフジの花が咲いている。花房が長い九尺藤、少し赤味を帯びた紫色の赤長藤、純白の白カピタン、花色が濃い紫カピタン、濃紫色で八重の八重黒龍など8品種・28本ほどのフジが、棚や立木に仕立てられ、甘い香りを漂わせている。

 その花景色はまるで仏様の上にかざす天蓋。それとも寺全体を本尊の地蔵菩薩に見立ててフジの瓔珞(ようらく)か……。
 この時期、境内にはツツジやコデマリが花盛り。無数のクリスマスローズやミヤコワスレがフジの足元を飾り立て、ケマンソウやエビネランなどの愛らしい花々も彩りを添える。

安産祈願所として参拝客が絶えない

子安地蔵寺 子安地蔵寺は天平9年(737)、行基によって開かれた古刹で、本尊は行基の手彫りと伝わる地蔵菩薩。安産守護にあらたかな霊験があるところから子安地蔵と呼ばれ、織田信長の高野山攻めの兵火にも本尊だけは難をのがれたという。江戸時代前期、紀州初代藩主徳川頼宣により再興され、以後、紀州徳川家の安産祈願の寺として篤い信仰を集めてきた。

秋の山野草などが楚々と咲く和やかな寺

子安地蔵寺 子安地蔵寺の花暦は、春のツバキと桜で始まる。華麗なフジの季節が終わると、サツキやアジサイが咲き継ぎ、秋になるとキンモクセイが芳香を放つ。また、ハギなど秋の山野草も楚々として情趣を誘う。

 そして、境内から花々の彩りがなくなった冬、サザンカがそこかしこに咲き、安産を願う参拝客を温かく迎える。

 この寺は安産祈願所だけあって、境内の雰囲気も花々も、優しく、そして和やかである。
 

ギャラリー

第24番 易産山 子安地蔵寺(こやすじぞうじ)

住  所
電  話
U R L
宗  派
ご 本 尊
拝  観
料  金
交  通

隣接霊場

和歌山県橋本市菖蒲谷94
0736-32-1774
http://hananotera.com/
高野山真言宗
地蔵菩薩
8~17時(冬季は9〜16時)
300円
電車=南海高野線御幸辻駅から徒歩25分。またはJR和歌山線橋本駅からタクシー15分
車=阪和道美原北ICから南へ約30㎞、P120台 (シーズン中のみ300円)
車で観心寺25分、金剛寺30分


花ごよみ

フジ8種・ヒラドツツジ
秋の山野草
サザンカ
クリスマスローズ・ツバキ
春の山野草

4月下旬〜5月上旬
10月上旬〜11月下旬
12月上旬〜
2月上旬〜
3月下旬〜4月上旬


主な行事

初地蔵法要
地蔵盆

1月24日
8月24日


周辺の見所

    高野街道 大阪・堺から高野山への参拝道。往時の常夜燈や本陣などが今も残る。車で15分。
    恋し野の里 中将姫ゆかりの旧跡などを巡るハイキングコースが整備され、6月にはあじさい園のアジサイが見頃を迎える。車で30分。電話0736-33-3552 (橋本市観光案内所)
    やっちょん広場 新鮮で安全な地場農産物や加工品を販売。車で14分。9〜18時(10〜3月は17時)、水曜休 電話0736-33-2500

子安地蔵寺周辺マップ

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