第20番 石光寺

石光寺

春と冬、豊麗なボタンが咲き誇る「ボタン寺」

 石光寺といえば、名高いボタンの名所。4月中旬から5月上旬には約400種・2700株の春のボタン、11月下旬から1月中旬は36種・300株の寒ボタンが咲く。その総数は436種3,000株。株数も多いが、種類の多さでは群を抜いている。

石光寺 山門を入るとツツジとサツキに取り囲まれてボタンがこぼれんばかりに咲いている。庭は左側の奥深くまで続いており、色とりどりの艶やかなボタンが妍を競う。純白、桃色、淡い桃色、濃紅色……数えだしたらきりがないほど色彩が豊富で、花びらの形も重ね具合も、また咲き方も多種多様。その美しさに誰もが魅了される。ボタンの花に目線が合い、鑑賞しやすいようにと、花壇を少し高くしてあるのはなんとも嬉しい配慮だ。

 二上山から肌をさすように冷たい風が吹き下ろす冬、ワラを編んだ菰の中では背の低い寒ボタンがぼちぼち咲き始める。凍りついた土に、雪をかぶりながら咲く姿はけなげで、つつましい。真っ白な花や真紅の花に、菰を着せた花守の心の優しさが重なって見える。

所狭しと花々が咲き継ぎ、シャクヤクも見もの

石光寺 石光寺の花暦は寒ボタンと小さな寒咲きアヤメ、満月ロウバイ、ツバキで始まり、桜の大木やボケで仲春を迎える。その後はボタンで、散り始めを待ちわびたように5月初旬から中旬にかけて数多くのシャクヤクが花びらをほどく。シャクヤクはボタンと似ているが、前者は多年草で後者は木。しかもシャクヤクは最初チューリップのように咲き、その後、ぱっと開く。この頃、ツツジやオオデマリ、オダマキ、アカバネマンサクなどの花もきれいで、庭は百花繚乱だ。

 盛夏にはサルスベリの古木がこぼれんばかりに花をつける。

石光寺創建のきっかけは霊光を放つ大石

石光寺 天智天皇(626~671)の時代、霊光を放つ大石が見つかり、天皇の勅命を受けてこの石に弥勒如来を彫らせ、堂宇を建立したのが石光寺の始まりと伝わる。開山は修験道の祖・役小角(えんのおづぬ)。

 平成3年、弥勒堂建て替えの時に石造弥勒像が発見され、言い伝えが実証されたと話題になった。ちなみにこの弥勒像は日本最古の石仏である。

 また、中将姫が曼荼羅図を織るために蓮糸を染めたという井戸「染めの井」と、それを干した「糸掛桜」が現存していることでも知られ、染寺と呼ばれている。
 

ギャラリー

第20番 慈雲山 石光寺(せっこうじ)

住  所
電  話
U R L
宗  派
ご 本 尊
拝  観
料  金
交  通


隣接霊場

奈良県葛城市染野387
0745-48-2031
http://sekkouji.or.jp/
浄土宗
阿弥陀如来
9~17時
400円
電車=近鉄南大阪線当麻寺駅からタクシー5分。
   またはJR和歌山線下田駅からタクシー10分
車=西名阪道柏原・香芝ICから5㎞、P30台
車で當麻寺西南院3分、船宿寺30分


花ごよみ

ボタン
シャクヤク
サルスベリ
サザンカ
寒ボタン
ロウバイ
寒咲アヤメ・コウバイ
サクラ

4月下旬~5月上旬
5月上旬~
8月上旬~
12月上旬~
12月上旬~1月上旬
1月上旬~
2月上旬~
3月下旬~4月上旬


主な行事

大施餓鬼会
彼岸会

8月19日
3月中日、9


周辺の見所

    葛城市相撲館けはや座 石光寺のある當麻は、相撲発祥の地として知られている。けはや座は全国でも珍しい相撲の博物館。100点にのぼる相撲資料をはじめ、本場所と同じ土俵を展示している。車で3分。10~17時、火・水曜休(祝日の場合は開館)、300円 電話0745-48-4611
    中将堂本舗 中将餅(よもぎ餅)は、ぼたんの花びらを形どった名物。当麻の里に昔から伝わる一口大の餡つけ餅は、甘さ控えめで、ほのかな草の香りが美味。9~18時。車で6分 電話0745-48-3211
    二上山 標高517mmの雄岳と474mの雌岳の2つの峰をもつ。雄岳山頂近くには、天武天皇の皇子で、持統天皇から謀反の罪を受け、非業の死を遂げた大津皇子の墓がある。石光寺からは、大池、大竜寺を経由して雌岳まで徒歩約1時間。

石光寺周辺マップ

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