第19番 長岳寺

長岳寺

山の辺の道沿いにある「ツツジ寺」

 日本最古の官道として知られる山の辺の道沿いに、背後の山と一体化したような樹影濃い長岳寺がある。1万2000坪の広い境内は森閑とした空気に包まれ、葉擦れの音にすら驚かされる。

長岳寺 この寺が最も華やぐのは、若葉輝く4月下旬から5月上旬だ。数多くのヒラドツツジが花開き、あたり一面を花色に染めるのである。

 参道には、大人の背丈をはるかに超えたヒラドツツジが隙間なく連なり、壮観の極みだ。花の道は、寺と共に歴史を刻んだ日本最古の鐘楼門(重文)へ、さらに江戸時代再建の本堂へ導く。本尊は、西方かなた十万億土に極楽世界をひらいて、末法の世に生まれた私たちを救って下さる阿弥陀如来(重文)。高さ3m以上はある巨大なヒラドツツジが本堂を飾り立て、目の前の放生池もツツジの花で縁取られる。本堂から境内を見渡すと、そこは赤紫の花浄土。

 ツツジは約1000株といわれているが、とても数え切れる数ではない。照葉樹林、特にシイノキが多いので、花が咲くと全山黄緑色になり、花粉で境内全体が霞むという。「ぐるっと取り巻く山の気と自然も感じとって下さい」と、関西花の寺二十五ヶ所霊場会会長の北川慈照住職は言う。

山も境内も季節の彩りを映しこむ

長岳寺 ヒラドツツジが咲き始める頃、境内の八重桜は名残の花。また数多いソメイヨシノはすっかり葉桜だ。ツツジが終わりかけの頃、放生池では濃紫色の品のいいカキツバタが花を開き始め、ツツジとの競演を見せてくれる。梅雨になるとアジサイが日毎に色を重ね、初秋にはスイフヨウが咲く。白い花が昼頃から徐々に紅をさし、夕方から夜にかけて紅色になる艶めく花だ。

 秋が深まると、ヒラドツツジの華やぎを思い出させるような鮮やかな紅葉の景色となる。黄赤や緋色が燃え立ち、一年の彩りのフィナーレを飾る。

千年の長きに渡り法燈を守る「釜の口大師」

長岳寺
 長岳寺は天長元年(824)、淳和天皇の勅願で弘法大師が創建したと伝わる。釜の口山という山号から「釜の口のお大師さま」と呼ばれている。文化財が多く、鐘楼門、庫裡として使われ三輪そうめんを食せる旧地蔵院、旧地蔵院本堂、また本尊の阿弥陀三尊などは重要文化財。

 さらに桃山時代の狩野山楽筆の大地獄絵図は圧巻。
 

ギャラリー

第十九番 釜の口山 長岳寺(ちょうがくじ)

住  所
電  話
U R L
宗  派
ご 本 尊
拝  観
料  金
交  通


隣接霊場
そ の 他

奈良県天理市柳本町508
0743-66-1051
http://www.chogakuji.or.jp/
高野山真言宗
阿弥陀三尊
9~17時
350円
電車=JRまたは近鉄天理駅または桜井駅からバス15分、上長岡下車徒歩5分。
   またはJR柳本駅から徒歩20分
車=西名阪道天理ICからR169を南へ約6㎞、P30台
車で白毫寺40分、石光寺40分、當麻寺西南院40分
重要文化財の庫裡では、名物の三輪そうめん (700円)を味わうことができる。冬は暖かいにゅうめんになる。


花ごよみ

ヒラドツツジ
カキツバタ・オオデマリ
アジサイ・サツキ
スイフヨウ
紅葉

4月下旬~5月上旬
5月上旬~
月上旬~
9月中旬~
11月中旬~


主な行事

釜の口れんぞ
大地獄絵開帳

4月21日
10月23日~11月30日


周辺の見所

    山の辺の道 『日本書紀』に記された日本最古の道。石上神宮から大神神社まで約13㎞のハイキングコースになっていて、長岳寺はコース途中に位置している。徒歩1分。
    石上神宮:万葉集にもうたわれた古社で、神武天皇東征のときに力があったという神剣・布都御魂大神を主祭神とし、物部氏が奉祀。軍事を司った物部氏の武器庫であったとの記録もある。拝殿は京都の宇治上神社と並び非常に古いもの。境内自由。車で15分。
    崇神天皇陵全長240mの巨大な前方後円墳。周囲に堀をめぐらし、松と白砂のコントラストが美しい。周辺にはこの他にも古墳が点在し、古代ロマンに誘われる。徒歩10分。

長岳寺周辺マップ

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