第18番 白毫寺

白毫寺

春の五色椿と秋のハギで名高い「花の寺」

白毫寺 白毫寺は若草山、春日山に続いて南に連なる高円山(たかまどやま)のふもとにある。100段余りの古びた石段を上り詰めると、眼下には奈良の町が、正面手前には矢田丘陵、その奥に二上山、信貴山、生駒山などの山並みが見渡せる。

 この眺望と共に寺の名を高めているのが、春の五色椿と秋のハギだ。

 五色椿は3月下旬から赤や白、ピンク、紅白の絞りなど、大輪の花を一本の木に咲かせる。樹齢400年を超し、東大寺の「糊こぼし」、伝香寺の「散り椿」と並んで大和の三名椿と呼ばれている。この名椿が一層冴えるのは、ぽとり、ぽとりと苔の上に落ちる頃。色とりどりの落椿が緑色に映え、しかも美しい花姿を間近にできるからである。

白毫寺 境内には「あけぼの」「八重白椿」といったツバキを始め、無数のヤブツバキも静かに春を彩っている。

 「高円の野辺の秋萩いたづらに 咲きか散るらむ見る人なしに」

 万葉の時代から高円山一帯はハギの花で知られ、万葉集に数多く収められている。9月の彼岸ごろ、土塀と石段に沿ってハギの花枝が延々としだれ咲く様は、万葉人ならずとも心動かされる。また、秋の長雨に打たれ、ほろほろと小花が散る、その風情もまたいい。白毫寺では冬季になるとハギの茎を刈り、それを軸にした毛筆を作る。その銘は「萩のしずく」。なんとも風雅な趣向だ。

山の自然と花木、山野草の競演が楽しみ

 自然豊かな白毫寺は、新緑に萌える季節も、燃え立つ錦秋も、それぞれに素晴らしい。また、春の五色椿が終わり、秋のハギを待つ間も花の姿が絶えることはない。

 大木のハクモクレンがふくよかに咲き、初夏になればサラサウツギやアジサイ、ササユリ、ホタルブクロなどの出番だ。夏はキキョウが楚々と咲き、サルスベリが空を覆う。植物名を記した札がそれぞれに付けられているのが好ましい。

閻魔王をまつる寺

白毫寺 天智天皇の第七皇子・志貴皇子の山荘跡に空海の師・勤操大徳(ごんぞうたいとく)が開いたとも、天智天皇勅願寺とも伝えられる。鎌倉時代、大宗一切経の摺本が伝わって以後は、一切経寺とも呼ばれた。現在、宝蔵に安置する本尊の阿弥陀如来坐像や閻魔王坐像などは国の重要文化財に指定されている。

ギャラリー

第18番高円山 白毫寺(びゃくごうじ)

住  所
電  話
宗  派
ご 本 尊
拝  観
料  金
交  通


隣接霊場

奈良市白毫寺町392
0742-26-3392
真言律宗
阿弥陀如来
9~17時
400円
電車=JR関西本線(大和路線)奈良駅からバス10分高畑町下車徒歩20分。
   あるいは白毫寺下車徒歩10分(便数が少ないので要注意)
車=西名阪道天理ICから北へ約6km、Pなし。(民間駐車場あり、有料)
車で般若寺20分、浄瑠璃寺30分、長岳寺40分


花ごよみ

五色椿
モクレン
ササユリ
アジサイ
キキョウ
ハギ
カンザクラ(子福桜)
紅葉

3月下旬~4月中旬
3月下旬~
5月下旬~6月中旬
6月中旬~下旬
7月上旬~9月下旬
9月中旬~下旬
10月下旬~12月上旬、3月中旬~下旬
11月下旬~12月上旬


主な行事

えんまもうで
一切経会式
志貴親王御忌

1月16日
4月8日
敬老の日


周辺の見所

    志賀直哉旧居 若草山を望む書斎で『暗夜行路』の後半が執筆された。徒歩20分。9時30分〜17時30分(12〜2月は〜16時30分)、350円 電話0742-26-6490
    春日大社神苑 万葉集に詠まれた植物約270種が植えられ、各々にその名と万葉の歌が記されている。徒歩20分、9~16時30分(12〜2月は〜16時)、無休(12〜2月は月曜休)、500円
    奈良公園 広大な園内に鹿が戯れ、松や桜、アセビやサルスベリなどが、四季折々の彩りを見せる。東大寺や興福寺、春日大社、若草山をも含んでいる。徒歩25分
    天平の湯 奈良ロイヤルホテル ホテルの地下より湧き出す天然温泉。サウナやジェットバスでリフレッシュできる。ボディーケアサービスも充実。車で15分。12~24時、1,725円、無休 電話0742-34-4310

白毫寺周辺マップ

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