第3番 金剛院

金剛院

悲運の皇子が開山した“隠れ寺”

金剛院 丹後街道(国道27号線)から1kmに満たない距離ながら、金剛院のたたずまいは深山の中の“隠れ寺”といった趣。一帯は「金剛院京都府歴史的自然環境保全地域」に指定されている深い樹林だ。モミやシイ、カシ、カエデ、アカマツなどの木の間越しに本堂や三重塔が見え隠れする。

 こんな閑寂な地に開山したのは、平安時代初期の平城天皇の第三皇子、高岳親王である。親王は皇位継承争いなどに巻き込まれ、世の無常を感じて仏門に入った。法名は眞如。弘法大師十大弟子の一人に列せられるが、天竺に向かう途中消息を絶ったという。

平安中期から後期にかけては、白河天皇や鳥羽天皇の皇后美福門院の帰依により大いに栄えた。その後の戦国動乱や天災人災にも耐え、守り抜かれた宝物殿の寺宝の数々が、この寺の隆盛ぶりを今に伝える。平安時代後期の阿弥陀仏如来坐像、多聞天立像、増長天立像、さらに鎌倉時代の快慶による力強い深沙大将立像、執金剛神立像。いずれも国の重要文化財である。

樹影を灯すように咲く四季折々の花々

金剛院 鹿原川を渡って山門をくぐると本坊、田辺城主の細川幽斎作庭の鶴亀の庭、そして宝物殿がある。そこから三重塔と本堂への参道は、木々に覆われた昼なお暗い道だ。高岳親王御手植えと伝わる千年ガヤは府内随一の巨木となり、無数のカエデが頭上に枝を伸ばす。
 室町時代再建の三重塔はまるで自然に還ったかのような落ち着いた色調で樹林と見事な調和を見せている。

 5月になればオオデマリが周囲を灯すように咲き、本堂への急な石段の左右はシャガが隙間なく埋め尽くす。そして夏の木立の下には薄緑色のウバユリや楚々とした山野草の花々がひっそりと咲く。さらに9月はシュウカイドウが参道に花色を添える。また、枯れ滝への200mの山道は桜の季節、ヤブツバキが延々と咲き連なり、“ツバキの小径”となる。

三重塔が錦繡に映える「丹後のもみじ寺」

 金剛院さて、金剛院は何といっても紅葉で広く知られる。三重塔から本堂にかけてのカエデは細川幽斎の植樹で、全山合わせて5000本を数えるという。それらが黄赤や緋色などに染まり、三重塔に照り映える美しさは例えようもない。門前に広がる鹿原公園から見れば、まさしく一幅の絵画だ。
 紅葉時の混雑を避け、若葉が萌える春から初夏、三重塔の屋根が白銀に輝く雪の日などに訪れるのも一興だ。静けさの中にたたずむ金剛院はじつに風雅である。

ギャラリー

第3番 鹿原山 慈恩寺 金剛院(こんごういん)

住  所
電  話
宗  派
ご 本 尊
拝  観
料  金
交  通


隣接霊場

京都府舞鶴市字鹿原595
0773-62-1180
真言宗東寺派
波切不動明王
9~16時
拝観300円、宝物殿500円
電車=JR小浜線松尾寺駅から徒歩20分。
   またはJR舞鶴・小浜線東舞鶴駅からバス15分鹿原下車徒歩10分
車=舞鶴道舞鶴東ICから北東へ約5km、P50台
車で楞厳寺40分


花ごよみ

シュウカイドウ
紅葉

9月上旬~
11月上旬~


主な行事

不動講 
もみじまつり

毎月28日
11月中


周辺の見所

    田辺城跡 別名、舞鶴城ともいう。細川幽斎が築いた城で、舞鶴公園内に櫓や天守閣を再建。歴史資料を展示する資料館がある。車で30分。資料館は9~17時、無料、月曜・祝日の翌日休 電話0773-76-7211
    赤れんが博物館 レトロな雰囲気が漂う旧海軍兵器庫。古くは1万年前から使われていたレンガの長い歴史を展示している。車で15分、9~17時、300円、無休 電話0773-66-1095
    舞鶴港とれとれセンター 年間を通じて水揚げされる新鮮な海産物を低料金で販売。食事処もあり日本海の豊富な海の幸を楽しむことができる。道の駅も併設。車で30分、9~18時、水曜休 電話0773-75-9945

金剛院周辺マップ

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