極楽浄土を具現した「ハスの寺」

仏像の台座の蓮華模様といい、ハスの花を持つ観音様といい、ハスは仏教との関わりが深い。泥の中から咲くものの、泥に染まらない美しさとりりしさが、仏様の御心にたとえられ、極楽浄土に咲く花といわれる。
JR花園駅前の法金剛院は名高きハスの名所である。特別名勝の回廊式庭園は、7月上旬から8月初旬にかけて約90品種ものハスが次々と咲き揃う。ハスの花は開花初日、夜明けから10時頃まで猪口(ちょこ)のように咲き、2日目には椀のように11時頃まで咲く。3、4日目は昼過ぎから夕方頃まで咲き、そして散ってしまう。法金剛院では花の見頃、早朝から開門して観蓮客を喜ばせている。
この寺の起こりは平安時代の初めに右大臣清原夏野(なつの)が山荘を寺に改めたこと。その後、大治5年(1130)に鳥羽天皇の中宮待賢門院(たいけんもんいん)が都の西方に極楽浄土を求めて壮麗な伽藍を建立し、法金剛院と号した。
ハスの花が咲き競う夏、法金剛院の庭園は、まさに極楽浄土がこの世に現出したかのように穏やかで美しい超俗の世界となる。